S&P 500 EPS(1株当たり利益)の推移
株価を動かす究極のエンジン、それが企業の「稼ぐ力」を示すEPS(1株当たり利益)です。長期的に株価が上昇するためには、EPSの成長が不可欠。このグラフは、米国を代表する企業たちが、本当に成長し続けているのかを雄弁に物語っています。
なぜEPSが重要なのか?
EPSは、企業の純利益を発行済み株式数で割ったもので、株主一人ひとりの取り分がどれだけあるかを示します。EPSが力強く伸びている企業は、事業が成長しており、株主への還元(配当や株価上昇)も期待できるため、投資家から高く評価されます。S&P 500全体のEPSを見ることで、米国経済全体の企業業績のトレンドを把握できます。
グラフで読み解く企業の「稼ぐ力」

危機を乗り越える回復力(長期グラフ)
長期グラフを見ると、景気後退期(2008年のリーマンショックなど)にはEPSが大きく落ち込むものの、その後の経済回復と共に、以前を上回る水準まで力強く回復してきた歴史が分かります。これは、米国企業が持つ驚異的な回復力とイノベーション能力の証左と言えるでしょう。
最高益を更新し続ける現代(短期グラフ)
短期グラフでは、コロナショックによる一時的な落ち込みの後、企業業績が急速に回復し、過去最高益を更新し続けている様子が確認できます。2025年9月時点の現在地は$225.27と、非常に高い水準にあります。この力強い業績が、現在の株価を支える大きな要因となっています。
このデータの応用的な見方
EPSの「成長率」は、将来の株価を占う重要な先行指標となり得ます。市場のコンセンサス予想を上回るEPSの成長が続けば株価は上昇しやすく、逆に成長が鈍化すれば株価は下落しやすくなります。また、このEPSと、次のテーマである「PER(株価収益率)」を組み合わせることで、現在の株価が企業の稼ぐ力に対して割安か割高かを、より深く分析することができます。