米国の名目GDPの推移(1896年〜)
GDP(国内総生産)は、国内で一定期間に生み出されたモノやサービスの付加価値の合計で、国の経済の大きさを表します。このページでは米国の名目GDPを1896年から追い、成長のペースと大きな落ち込みの歴史を確かめます。
数字で見る現在地
グラフと同じデータから、プログラムで自動計算しています(2026年10月23日のデータ更新時点)。計算方法はデータと計算方法にまとめています。
直近の数値を表で見る
| 四半期 | 名目GDP(兆ドル・年率) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 2026年4〜6月期 | 32.56 | +6.3% |
| 2026年1〜3月期 | 31.91 | +5.7% |
| 2025年10〜12月期 | 31.46 | +5.1% |
| 2025年7〜9月期 | 31.18 | +5.5% |
| 2025年4〜6月期 | 30.63 | +4.8% |
| 2025年1〜3月期 | 30.17 | +4.8% |
| 2024年10〜12月期 | 29.93 | +5.1% |
| 2024年7〜9月期 | 29.57 | +5.4% |
- GDPは発表後に何度か改定されます。最新の四半期ほど修正幅が大きくなりやすい点に注意してください。
このグラフで分かること
- 米国経済が130年近くにわたって、金額ベースでどのくらいのペースで大きくなってきたか
- 経済の規模が縮んだのはいつで、どのくらいの大きさだったか
- 直近6年で、コロナ禍の落ち込みからどう回復したか
GDPとは
GDPは、国内で生み出された付加価値(売上から原材料などの仕入れを引いた分)の合計です。米国では商務省経済分析局(BEA)が四半期ごとに推計し、四半期が終わってからおよそ1ヶ月後に速報値を、その後に改定値を公表します。
このグラフの1947年以降はFREDで公開されているBEAの四半期データ、1946年以前は経済史の研究者による推計(MeasuringWorth)の年次データをつないでいます。古い時代の値は推計の幅が大きい点に注意が必要です。
「年率換算」とは
米国の四半期GDPは、その四半期のペースが1年間続いた場合の金額(年率換算)で発表されます。グラフの値も年率換算の水準です。たとえば「30兆ドル」とあれば、3ヶ月で30兆ドルを生み出したのではなく、1年あたり30兆ドルのペースだったという意味です。
名目GDPと実質GDP
- 名目GDP:その時々の価格で計算した金額です。物価が上がるだけでも増えます。
- 実質GDP:物価の変動を取り除いた値です。生産の「量」がどれだけ増えたかを表します。
景気の良し悪しを判断するときは、ふつう実質GDPの伸び率を見ます。一方、企業の売上や利益は名目の金額で計上されるので、株価との関係を考えるときは名目GDPの方が比べやすい面があります。名目と実質の比率はGDPデフレーターと呼ばれ、経済全体の物価の動きを表します。
グラフの読み方
長期グラフの縦軸は対数目盛りです。同じ傾きは同じ成長率を意味するので、線の傾きが急な時期ほど成長が速かったことになります。
直近6年のグラフは普通の目盛りで、四半期ごとの値を描いています。
歴史で振り返る
世界大恐慌(1929〜1933年)
名目GDPは1929年から1933年にかけて4割以上減りました。生産が落ち込んだうえに物価も下がったため、名目の金額は大きく縮みました。長期グラフでもはっきり分かる落ち込みです。
第二次世界大戦(1939〜1945年)
戦時の生産拡大で、名目GDPは数年で2倍以上になりました。
1970年代
物価の上昇率が高かったため、名目GDPは速いペースで伸びました。ただし実質の成長率はそれほど高くなく、名目の伸びの多くは物価の上昇によるものでした。名目GDPだけを見ると経済の強さを見誤る例です。
リーマンショック(2008〜2009年)
名目GDPは数%減りました。株価が半分以下になったのと比べると、経済全体の落ち込みは小さく見えますが、雇用は大きく失われました(雇用統計の記事を参照)。
コロナ禍(2020年)
2020年4〜6月期に、名目GDPは前の期から1割近く落ち込みました。その後は大規模な財政支出と金融緩和で需要が戻り、1年ほどでコロナ前の水準を取り戻しました。2021年以降は物価の上昇も加わり、名目GDPは速いペースで伸びています。
見るときの注意点
- 何度も改定される:速報値のあと、改定値が出され、さらに毎年の年次改定や数年ごとの大きな改定で過去の数字も書き換わります。直近の値ほど変わりやすいと考えてください。
- 1946年以前は推計値:長期グラフの前半は、当時の資料をもとに研究者が推計した年次の値です。1947年以降の四半期データとは、精度も頻度も違います。
- 人口の増加も含まれる:GDPの伸びには人口の増加分も含まれます。1人あたりの豊かさの変化を見るには、1人あたりGDPで比べる必要があります。
ほかのグラフとあわせて見る
- 企業の利益はS&P 500 EPSの推移
- 景気の体温計である雇用は米国の雇用統計の推移
- 物価の動きは米国の物価と失業率の推移
運営者の見方
私にとって名目GDPは「米国企業が商売をする市場の大きさ」です。市場が毎年数%ずつ大きくなるなら、そこで売上を伸ばし、本業の利益(営業利益)を増やす企業が出てきやすくなります。成長企業が稼いだお金を設備投資に回せるのも、市場が広がり続けると見込めるからです。
米国株を長く持つ理由を一つ挙げるなら、このグラフの右肩上がりです。ただし、名目の伸びには物価の上昇分も含まれています。物価が上がって名目GDPが伸びても、企業がコストの上昇を販売価格に転嫁できなければ、利益は増えません。そのため、GDPの伸びだけで判断せず、EPSの伸びと並べて確かめるようにしています。
データの出典
グラフと数値はデータ取得元の最新値から作成しています。系列の定義・加工の方法はデータと計算方法をご覧ください。