米国の名目GDP推移
アメリカ経済の「体力」を一目で測る指標、それが名目GDPです。この一本の線から、世界最強の経済大国が歩んできた100年以上の歴史と、未来への力強いトレンドを読み解くことができます。
なぜGDPが重要なのか?
GDP(国内総生産)とは、一定期間内に国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の合計額。国の経済規模そのものを示す、最も基本的で重要な指標です。名目GDPが増えているということは、国の経済活動が金額ベースで拡大していることを意味し、企業収益や株価の長期的な上昇の土台となります。
グラフで読み解く米国の成長史

100年スケールの成長(長期グラフ)
このグラフが示すのは、まさに圧巻の一言。世界大恐慌、第二次世界大戦、オイルショック、ITバブル崩壊、リーマンショック、そしてコロナショック…人類史に残る数多の危機を乗り越え、米国経済が一貫して右肩上がりの成長を遂げてきた軌跡が刻まれています。この長期的な成長トレンドこそが、米国株が世界中の投資家を惹きつけてやまない最大の理由です。
コロナ禍を乗り越えて(短期グラフ)
短期グラフに切り替えると、2020年のコロナショックによる一時的な落ち込みと、その後の驚異的な回復スピードが見て取れます。2025年4月時点での現在地は30.35兆ドル。大規模な金融緩和と財政出動に支えられ、米国経済が再び力強い成長軌道に戻っていることが分かります。
このデータの応用的な見方
GDPには、物価変動の影響を含んだ「名目GDP」と、その影響を取り除いた「実質GDP」があります。このグラフは「名目GDP」ですが、経済の体感的な勢いや企業の売上規模を測る上では非常に有用です。一方で、本当の意味での国の生産性が向上しているかを見るには「実質GDP」と見比べることが重要です。この二つのGDPの差(GDPデフレーター)は、経済全体のインフレ圧力を示す指標にもなります。